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2018.10.13

900年近く前の温泉が、今も当時のまま残る奇跡の秘湯!

青森、岩手、秋田の東北3県にまたがる十和田・八幡平国立公園の中にある、まさしく秘湯の宿、「蔦温泉旅館」。1147年にはすでにあったとされるこの温泉が、当時のままの規模と場所で、今に至るというのはまさに奇跡。全34部屋。豊かな時間が過ごせます。

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文/福田 豊

時間によって男女入れ替えとなる「久安の湯」。平安時代に開湯された源泉が、足元からぷくぷくと涌き上がる感覚が、なんとも快感。
今回の目的地は、青森の「蔦温泉旅館」。青森市内から山道に入って、山頂から再び半分ほど下った山の中腹のブナの森の中にある旅館です。

この山道が凄いのです。最初のほうは、左右から枝を伸ばしたブナの葉で、空が見えないほどの緑のトンネル。さらに上って行くと、突然、景色が一変。山頂近くから高地に適したトドマツの低木に変わり、空が広く拓けるのです。そして再び緑のトンネルを抜けて宿に着く。その道程は、ドラマティックで、夢のような体験。だからクルマ好きならば、この道を走る価値があります。実際、そういうクルマファンも多いそう。だからアナタも、ぜひ。絶対に楽しいことを請け合います。

平安から続く秘湯で、足元から湧き出る湯玉を堪能しながら長湯を楽しむ

十和田・八幡平国立公園の中にある宿。ブナの森に抱かれるように立っている木造の建物は、歴史を感じさせる佇まい。
そして、たどり着いた宿のローケーションが素晴らしい。十和田・八幡平国立公園の中の、ブナの茂る山の中腹にある宿だから、敷地の周囲は木と草と花々ばかり。そんな手付かずの自然に囲まれた、まさに秘湯中の秘湯です。

温泉がまた良い。男女入れ替え制の「久安の湯」と、男女別の「泉響の湯」のふたつの浴場がありますが、いずれも源泉の真上に浴槽があり、ブナ材の湯舟にはいっていると、足元からぷくぷくとの湧き出る湯玉が感じられます。つまり、源泉かけ流しならぬ源泉湧き流しの湯。お湯の感じは、独特の刺激と柔らかさがあり、最初は熱く、慣れると快い。それでいつまでも浸かっていたくなる、肌にも心にも優しいお湯なのです。

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1147年そのままの場所でそのままの湯

温泉の佇まいも良い。この温泉について現存する最古の文献は1147年のもので、当時、すでにこの地に湯治小屋があったのだそう。それを1909年に現主人の曽祖父が湯宿とした。凄いのは、その時にも、それから今日にいたるまでも、温泉を掘り増したり、移動したり、ということをまったくしていないこと。そもそもは温泉の出た場所に湯を溜めたのが始まり。それを壊さぬように守ってきたのが同宿の伝統。自然は触らないという賢い判断なのです。今でも温泉は底から湧き出ている。高い天井で湯気を自然に外に出す。これも昔のままの知恵。つまり、今の温泉は1147年のそのまんまの場所に、そのまんまに湧き出しているものなんです。ねっ、感動するでしょう。

昔のままに守られている自然と伝統から本当の豊かさを知る

 ほかにも同宿の素晴らしさは挙げたらきりがない。近くの水源を飲み水にしていて、その清冽で澄明な味わい。岩魚や地鶏を使った、素朴だけれども、それゆえに滋味深い夕食の楽しさ。宿の人たちの、やはり素朴だけれども、それゆえに温かい心遣い。
夕食は、地元産の旬の食材を使った会席料理。館内のレストランでいただく。
この宿に来れば、改めて「豊かさ」ということを考えさせられるでしょう。周囲には森しかない、コンビニなんてない、不便なところ。でも素晴らしい温泉で、心と身体を優しく温められる素晴らしい宿があって、美味しい温かい食事をいただけて、気持ちのいい道があって、走る悦びがある。そういうのが、本当の豊かさ、なんじゃないのかしら。今回「蔦温泉旅館」、それにこの宿に至る道に、大切なことを教えてもらった気がします。だから、また来たい。と、心から思うのです。

◆蔦温泉旅館

住所/青森県十和田市奥瀬字蔦野湯1
アクセス/東北自動車道、青森IC〜国道4号〜国道103号
URL/
ご予約・お問い合わせ/☎0176-74-2311

●料金/1万2960円〜(2食付き)

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