• TOP
  • PEOPLE
  • 昭和のいい女が愛したあの店、あの場所【2】向田邦子の場合

2017.06.20

昭和のいい女が愛したあの店、あの場所【2】向田邦子の場合

CATEGORIES :
CREDIT :

文/川田剛史 撮影/小澤達也(Studio Mug) イラスト/Isaku Goto

オヤジ世代の憧れた昭和のいい女たち。彼女たちの愛した名店を平成女子に紹介しながら、いい女はかくあれとさりげなく手を引いてあげましょう。第二回は脚本家、小説家の向田邦子さんが好きだったあの店、あの場所へと参ります。

脚本家、作家だった向田邦子さんは没後30数年を経ていまなお新しいファンを増やし続けています。その理由は、彼女のライフスタイルが昔も今も女性の憧れだから。高度経済成長期にまだまだ珍しかった海外のブランドをさっそうと着こなしたり、料理の知識を誌上で披露したり。

文芸の世界のみにとどまらない彼女の生活そのものが、多くの人の注目を集める魅力的なものでした。いまで言うなら、ファッションセレブとカリスマ料理家がジョイントしたような存在でしょうか。そう聞けば、平成女子も気にならずにはいられますまい。
向田邦子さん(1929年~1981年)作家・脚本家、編集者、フリーライターを経てラジオ・テレビドラマの脚本を執筆するようになる。テレビドラマ『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』が代表作。1980年には第83回直木賞を受賞。81年、台湾にて搭乗していた航空機が墜落し、帰らぬ人となる。
さて、食通としても知られた向田さん。彼女は気になる食の情報を見つけるとパンフレットやメモ書きを、小型のスチールの引き出しに次々にため込んでいたそう。これは「う」の引き出しと呼ばれ、彼女の宝物でもありました。「う」は「うまいもの」の頭文字。

こんなところからも彼女のグルメぶりが伝わってきませんか? 『向田邦子の手料理』(講談社)によれば、引き出しの中には「鶯宿梅」の万玉(福岡)、「瓢亭」の梅甘煮(京都)、「勘場蒲鉾店」のつけあげ(鹿児島)などなど、多くのグルメ情報が収められていたそうです。
PAGE 2

気配りの人が選んだ南青山の和菓子

◆ 菓匠 菊家

向田邦子さんが頻繁に訪れた「菓匠 菊家」。
味に一家言をもつ向田さんがお気に入りだったのが、昭和10年創業の老舗「菓匠 菊家」の水羊羹です。

水羊羹は通常、春から店頭に並びますが、「うちでは日にちは決まっていなくて、納得のいく桜の青葉が手に入るようになったら作り始めます」と女将の秋田隆子さん。

なめらかな口当たりと、ふるふる揺れる触感がウリなれど、茶席で懐紙に乗せても崩れないという絶妙の固さ加減。
「菓匠 菊家」の水羊羹350円。向田さんは著書『眠る盃』で「まず水羹の命は切り口と角であります」と自論を展開するほどの水羊羹好き。
国内外を問わず出張に出かけるたび、向田さんは手土産を買いに「菓匠 菊家」を訪れています。女将によると「唐衣」(1050円)も向田さんの手土産の定番だったそう。

こちらは寒天を使った干菓子で、カラフルな色使い、シャリッとした表面と柔らかい中身の食感の対比がユニークな逸品です。

それぞれの色ごとに味が異なり、梅酒、ハッカ、葡萄酒などの風味が楽しめます。
PAGE 3
「唐衣」は季節に合わせて、「宝づくし」「ゆきわり草」「春の道」など銘が変わる点が楽しい
今のように海外渡航が当たり前ではなかった時代、海外在住の方が和菓子を口にするのは貴重なチャンスだったに違いありません。「菓匠 菊家」の和菓子は、まさに向田さんらしい気配りの表れだったと言えるでしょう。

今なお、お店には向田ファンが彼女の愛した味を求め、訪れるそうです。平成女子をお店に案内するもよし、手土産に渡すもよし。ただ、「向田邦子って知ってる?」と一言添えるのをお忘れなく。

■菓匠 菊家

菓匠 菊家

住所/東京都港区南青山5-13-2
営業時間/平日9:30~17:00、土曜9:30~15:00
お問い合せ/☎03-3400-3856
※売り切り次第閉店

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Adelaideclassifieds.jpの最新ニュースをお届けします。

RECOMMEND FOR YOUおすすめの記事

RELATED ARTICLES関連記事

SERIES

続きを読む

SPECIAL

more information best-cooler.reviews

免許合宿 関東

www.start-sport.com.ua/sport/joga/kovriki-dlja-jogi