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2017.06.29

東京・京都の老舗で浴衣をオーダーする

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写真/鈴木泰之(Studio Log) 文/池田保行(04) 協力/竺仙

江戸の粋(いき)はすっきり、さっぱりした引き算の美と言われています。細かいことにこだわらず、見えないところにお金をかけることが江戸っ子の美学。

一方、京都の粋(すい)は足していく美とも言われ、はんなりした優雅な美しさが良しとされます。そんな粋(いき)と粋(すい)に精通した東京と京都の老舗店で、浴衣のお仕立て(オーダー)を伺いました。

花火の当日にお仕立て(オーダー)上がりを受け取り着付けてもらう、なんてのがオトナの粋の極みといえるでしょう。スーツも浴衣もお仕立てなら、お好みの色柄生地でサイズもぴったりな、自分だけの一着が仕立てられますので、こなしもぐっと引き立ちます。恋も花火も準備万端整ってこそ、ですよ。

確かな老舗でお仕立て浴衣を

和装の専門店で反物から選んでお仕立ていただく。なんとも敷居の高そうな話ですが、銀座のテーラーでスーツを仕立てるようなものですので、オトナなら一軒ぐらい馴染みの呉服屋さんを知っておいてもよいかと。

たとえばコチラ、日本橋の「竺仙」さんは天保13年、1842年創業という老舗の呉服屋さん。こちらのこだわりはズバリ“江戸”。オリジナルの浴衣生地に描かれる紋様は、江戸の風情あふれるものばかりで、アマン東京のパンフレットにも使われるほど。コチラで五代目当主・小川文男さんに、お仕立の極意を伺いました。

「お端折り(帯下で着丈を調整する折り返し部分)できる女性物と違い、男性物の浴衣はお端折りがございませんので、サイズを気にされたほうがよろしいかと。肩幅、袖丈、着丈の3箇所は、ぞろ引いたり寸足らずですと品位を損ねます。洗うと縮むこともございますので、生地によって採寸もご考慮されたほうがよいでしょう」

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色柄についてもトレンドや流行の取り入れ方を伺うと、こんな答えが。

「私どもでは色柄の流行というものは、とくにございませんので、お好きなものを選ばれてよろしいのですが、御自身がお好きな色柄と似合う色柄が異なることもございます。お連れ様や店のものに見立ててもらうと、意外な色柄が似合ったりするものです」

どうやら“お仕立て”は“お見立て”と同様に考えたほうが良いようです。応接間に取り揃えられた反物をぐるりと拝見しますと、いろいろな色柄が揃っていました。

「昔は西の浴衣と東の浴衣と、好まれる色柄は違ったようです。いまはそれが曖昧になってきていますが、江戸の浴衣には縞や格子など、スカッとした直線的な柄が多いようです。草木や動植物の柄もございますが、よく見ますと水や秋枯れ、冬草をモチーフにしたものが多い。これは盛夏に少しでも涼を感じたいという想いからのようです」。

ご主人からそんなウンチクを聞きながら反物を選ぶのも、お仕立ての楽しみ。江戸の情緒を味わいながらのお見立ては、どこかスーツをオーダーするときに似ているようです。

1.  江戸っ子らしさを味わうなら直線と格子

松の格子

引き揃えた松の葉が並ぶ格子柄。縞と格子は江戸で人気の柄使いです。綿100%のコーマ地は、ハリと腰のある生地で、染め抜きが美しく仕上がります。

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不良なオトナを楽しむなら大柄使い

2. 不良なオトナを楽しむなら大柄使い

「吉原つなぎ」

四角い鎖の連続柄は、「吉原つなぎ」と呼ばれる柄物。ひとたび吉原遊郭に入ったら、鎖につながれてしまったように外に出られない、というところから名付けられた伝統柄です。

3. 江戸のラッキーモチーフ「判じ物」

斧琴菊

「斧(よき)」と「琴」と「菊」の連続柄は、「善き・事・聞く(ヨキコトキク)」ともじった「判じ物」と呼ばれる和柄のモチーフ。オリーブとネイビーの色使いは、カジュアルを着慣れたオトナの浴衣として着やすそうです。

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お仕立て、見立てはコチラでどうぞ

お仕立て、見立てはコチラでどうぞ

竺仙さんでは、店先ではもちろん、二階奥の応接でもお仕立て、見立てが可能です。こちらで反物を選んだら、採寸していただいて、今の時季なら納期は約1ヶ月ほど。シーズンオフなら、もう少し短縮できるとのこと。今ならまだ、夏の花火に間に合います。

  二階の応接間では、ゆっくりと反物を選ぶ事ができます。女性物もございますので、彼女と一緒にどうぞ。
二階の応接間では、ゆっくりと反物を選ぶ事ができます。女性物もございますので、彼女と一緒にどうぞ。

オーダーした浴衣と小物を合わせるのも粋

浴衣のお仕立てに合わせて、小物を購入することもできます。信玄袋と下駄を揃えておけば、お仕立て上がりの受け取りの際、そのまま着替えて花火見物に行くこともできますよ。

信玄袋はスマホや財布、手回り品を持ち歩くために。バッグ・イン・バッグとして普段使いしたくなる色柄が揃います。各9800円
信玄袋はスマホや財布、手回り品を持ち歩くために。バッグ・イン・バッグとして普段使いしたくなる色柄が揃います。各9800円
こちらは焼き桐の下駄。格子柄の鼻緒を組みあわせて、ちょっと小洒落た足元です。1万40000円
こちらは焼き桐の下駄。格子柄の鼻緒を組みあわせて、ちょっと小洒落た足元です。1万4000円
白木の桐下駄は正統派の高級品。オトナの品格と余裕を示すならコチラがおすすめです。1万3000円
白木の桐下駄は正統派の高級品。オトナの品格と余裕を示すならコチラがおすすめです。1万3000円

■ 竺仙

住所/東京都中央区日本橋小舟町2−3
営業時間/9:00〜17:00(平日) 休:土日祝 (4〜7月までは土曜も営業)
URL/
問い合わせ/☎03-5202-0991

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京都で浴衣をオーダーするならコチラ

撮影/伊東俊介 取材・文/トライアウト

京都の老舗呉服店で粋な浴衣のオーダーとこなしを拝見

京都で浴衣をオーダーするなら、老舗の呉服屋という手もあり。そこで、京都のオトナの浴衣事情を四条河原町にある呉服屋「ゑり善」さんにお伺いしました。

こちらは天正12年(1584年)創業という老舗だけあり、着物に精通したベテランスタッフが勢揃い。そんな着物通がオススメしてくれたのは、肌に張り付かず扱いがラクな麻の生地。

なかでも新潟県小千谷市で生産される伝統的工芸品の「小千谷縮(おぢやちぢみ)」は涼しいうえに、夏の着物としても着られるほどのクオリティなのです。縦糸に強い撚りをかけ織り上げていき、湯もみを行うことでうまれる、独特のシボと呼ばれるシワが特徴です。

今回ご登場いただいた「ゑり善」の社長をはじめとするベテラン勢は、そんな生地でオーダーした浴衣を長襦袢の上に纏い、長襦袢に半襟をつけて、素足に下駄ではなく、あえて足袋を履き、サラリと透け感のある夏羽織を重ねるという京都の老舗スタイルを披露してくれました。

オーダーの方法は、まず浴衣地を選んで、合わせる帯や小物を相談するのがいいでしょう。帯選びがとりわけ重要です。老舗のゑり善だからこそ、とことん相談に乗ってくれますよ。あとは仕立て上がりのご連絡を待つだけです。納期は繁忙期など時期によって前後するので、お店に直接お問い合わせください。

1. 圧倒的な涼やかさを感じさせる小千谷縮を着流し

生成り(染めていない自然のままの色)の麻地に縞が入った小千谷縮。縞柄にトンボ柄の角帯を合わせ、ひと足早く秋の風情も感じられる涼やかな印象に。生成りなどの無地の小千谷縮なら、一層フォーマルな雰囲気が漂います。

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定番の浴衣も2寸帯で締めれば粋な印象に

2. 定番の浴衣も2寸帯で締めれば粋な印象に

グレーや紺の細縞の小千谷縮に、薄い色合いの博多帯を組み合わせれば、コントラストを効かせた定番コーディネートが完成します。小千谷縮の浴衣はメンテもラクなので、初心者には嬉しい生地。着た後のメンテは霧吹きをかけて新聞などで覆い、上に重いものを置いておくだけでシワが取れるのです。ただし、洗濯は専門家におまかせを。

3. 定番はグレーの縞柄生地×献上模様の博多帯というスタイル

ここ京都でも、綿の浴衣で人気を誇るのが「竺仙」の浴衣。綿コーマの素材に、白地に紺、紺と白を基調としたクラシックな柄を豊富に展開しています。帯は浴衣地に映える、からむし織の苧麻(ちょま)の素材のものなど、使うほどに風合いが増すような生地もオススメです。

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覚えておきたいのはクラシックなこの3つ

覚えておきたいのはクラシックなこの3つ

クラシックな柄で抑えておきたいのが、コチラの3つ。左から“松菱(まつびし)”、“籠目に束ね熨斗(たばねのし)”“吉原繋ぎ”。“松菱”は、松を菱形に描いた模様。菱自体、縄文土器にもあった古典的な形です。“籠目に束ね熨斗”は、籠の目状の図案に束ねた熨斗をちりばめた、おめでたい柄。“吉原繋ぎ”は、鎖の連続文様で、吉原の郭に入ったらつながれて、なかなか解放されないことにちなんだ名前です。
クラシックな柄で抑えておきたいのが、コチラの3つ。左から“松菱(まつびし)”、“籠目に束ね熨斗(たばねのし)”“吉原繋ぎ”。“松菱”は、松を菱形に描いた模様。菱自体、縄文土器にもあった古典的な形です。“籠目に束ね熨斗”は、籠の目状の図案に束ねた熨斗をちりばめた、おめでたい柄。“吉原繋ぎ”は、鎖の連続文様で、吉原の郭に入ったらつながれて、なかなか解放されないことにちなんだ名前です。

小物も老舗の呉服店ならではの粋な品揃え

  下駄の台と鼻緒は数種類ずつ取り揃えていて、選んだ後に職人によって仕立てられます。台は竹や神代杉、会津の桐など肌触りの合うものがメイン。履くほどに足に馴染み、杉なら木の目が立ってきて、夏に心地良く履けるものばかりです。
下駄の台と鼻緒は数種類ずつ取り揃えていて、選んだ後に職人によって仕立てられます。台は竹や神代杉、会津の桐など肌触りの合うものがメイン。履くほどに足に馴染み、杉なら木の目が立ってきて、夏に心地良く履けるものばかりです。
京都では昔から夏になると、籐でできた網代を敷く家がありますが、それと同じ編み方の信玄袋がコチラ。布製の手提げ袋で、口を紐で締めるオーセンティックな作りで浴衣姿のポイントになります。
京都では昔から夏になると、籐でできた網代を敷く家がありますが、それと同じ編み方の信玄袋がコチラ。布製の手提げ袋で、口を紐で締めるオーセンティックな作りで浴衣姿のポイントになります。
男性用の帯はバリエーションの多い女性用と違って、角帯と兵児帯の2種類しかありません。「ゑり善」で取り扱っているのは、ギュッとしまり、緩みにくい博多帯がメイン。ざっくりとした風合いで、より涼感がのぞく、からむしの角帯など。それ以外にも、羅(ら)、絽(ろ)と呼ばれる透け感のある帯もあり、着物に合わせてコーディネートするのが男の着物の楽しみです。
男性用の帯はバリエーションの多い女性用と違って、角帯と兵児帯の2種類しかありません。「ゑり善」で取り扱っているのは、ギュッとしまり、緩みにくい博多帯がメイン。ざっくりとした風合いで、より涼感がのぞく、からむしの角帯など。それ以外にも、羅(ら)、絽(ろ)と呼ばれる透け感のある帯もあり、着物に合わせてコーディネートするのが男の着物の楽しみです。

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京都の老舗呉服店でオーダーするならこちら

京都の老舗呉服店でオーダーするならこちら

天正時代に和装小物店から始まった「ゑり善」。その名は、半襟の“ゑり”と創業者山﨑善助の“善”に由来します。浴衣のオーダーでは、引き出し豊富なスタッフが、素材や柄についてのアレやコレや、合わせる帯の色や素材合わせなど気軽に相談に乗ってくれます。
「ゑり善 京都本店」の入り口には、綿紅梅や綿コーマ地、小千谷縮などさまざまな浴衣地が並んでいます。祇園祭や五山の送り火など、多くの祭りや行事が催されるなか、「あの祭りまでに、仕立ては間に合いますか」と浴衣でのお出かけを楽しみにするお客さまで賑わいます。
「ゑり善 京都本店」の入り口には、綿紅梅や綿コーマ地、小千谷縮などさまざまな浴衣地が並んでいます。祇園祭や五山の送り火など、多くの祭りや行事が催されるなか、「あの祭りまでに、仕立ては間に合いますか」と浴衣でのお出かけを楽しみにするお客さまで賑わいます。
販売している小物も、下駄や信玄袋などのほか、希望があれば、上級者向けの半襟なども見せてもらえます。ちなみに半襟とは、長襦袢に縫いつけて使う襟のこと。

汚れやすい襟の部分を付け替えて使い、色合わせを楽しむことで発展したものです。女性の場合は半襟の色は白が多いですが、今回ご登場いただいた亀井社長の装いのように“涼”を演出するために、小千谷縮にあったさまざまな色合いの半襟を選べるのは男性ならでは。

オトナの浴衣を仕立てるなら「ゑり善」でお楽しみください。

■ ゑり善

住所/京都府京都市下京区四条河原町御旅町49
営業時間/10:00〜19:00
定休日/月曜休
URL/
問い合わせ/☎075-221-1618
※アイテムの価格は全て店の方へお問い合わせください。

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