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2018.08.09

カキ、アワビ、ホヤ……夏こそ海の旬を味わう絶好の季節です!

年齢を重ねるにつれ、その味わいが身にしみてわかるカキ、アワビ、ホヤ……大人の味はいずれも夏に旬を迎えます。銀座と恵比寿の貝料理専門店でその美味しさを存分にご堪能あれ。

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文/秋山 都 写真/菅野祐二

案外と知られていないのですが、鮨は夏の季語。鮨はもともと鮓と書き、魚を塩や粕で漬けていた、魚の夏の保存法だったのだそうです。とくに鮨が夏においしくなるわけではないのですが、夏の暑い日に鮨屋のカウンターで冷えたビールと刺身をちょいとつまんで「こはだ、ある?」なんて……く~、想像しただけで飲みたくなっちゃう。

そんな夏の鮨屋で、いえ、鮨屋に限りませんが、とくにおいしくなっているのがカキやホヤ、そして貝。「カキは冬の食べ物だろう?」って? たしかにカキはRのつく月が食べごろとされていますが、それは真牡蠣の話でして。いまは岩牡蠣がちょうど旬。この旬とは、太ってクリーミーな食感が楽しめる産卵期前の状態を指します(痩せて締まった肉質がお好みもいらっしゃるもので一概には言えませんね、ハイ)。

このカキやホヤ、そして貝類。子供の頃はそれほど好きではなかったという人も、なぜか大人になるにつれ、好物になった方も多いことでしょう。磯の香りと淡白な肉質はいったんトリコになったら逃れられない、独特な魅力をもっています。
そして貝の王様ともいえる、あわびも夏が旬。
食通で知られ、最期はフグの毒にあたって逝去した八代目坂東三津五郎の名随筆「しゅんの味」の中にこんな一節があります。

「あわびの水貝も同じこと。よい青貝を買ってきて、塩でよくもんで、角に切り、氷水に入れ、青みの葉を浮かべる。(略)私は冷や奴と、あわびの水貝なら毎日でもいいのだが(後略)」(「坂東三津五郎の食い放題」光文社文庫)

この水貝とはあわびの刺身を水や海水程度の塩水につけて食べる料理法ですが、シンプルなだけにごまかしがきかず、あわびのおいしさをそのままに味わえるひと皿。この水貝が名物だという専門店があると聞き、行ってきました。

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北海道から直送のあわびはまるで乙女のアノ部分?!

【あわびの源太】(東京・銀座)

あわびの水貝を味わうなら

ここ「あわびの源太」は、北海道はススキノで35年続いたあわび専門店の銀座店。あわびとひと言で言っても、クロアワビやマダカアワビ(三津五郎のエッセイで青貝と書かれていたのがこれ)などいろいろありますが、こちらは北海道だけあってエゾアワビを使用。冷たい海で育つため、大きくはないのですが、コリコリとした食感が特長。夏には肉質がやわらかくなり、水貝には特に向いている種類です。

このエゾアワビを殻からはずしてゴシゴシと洗い、切れ目を入れて、海藻とともに透明なおつゆに浮かべたら……はい、できあがり。とても簡単そうに見えましたが、おいしいんでしょうか??
あわびの水貝5000円
あわびの水貝5000円
キリッと角の立った切れ目を見せるアワビをひと口。ムグムグ。弾力はありますが、硬くて噛み切れないということはありません。さっくりと噛めて、でも舌や上あごをほどよい張りが押し返してくるような……食したことは(もちろん)ありませんが、うら若き乙女の二の腕を頬張っているような感じ、といえば伝わるでしょうか?

よきところでおつゆをごくり。モノの本には水または海水程度の塩水とありますが、こちらでは門外不出のレシピでつくる出汁を使用。人呼んで「命の出汁」だそうですが、旨みのある薄味のおつゆはアワビのみならず、私もぷかりと浮きたくなる美味しさです。

この「あわびの源太」は専門店だけあって、ほかにもあわびを使ったごちそうがズラリ。なかでも、活きたあわびに同じく北海道産の生ウニをたっぷり乗せて焼いた「うに焼き」や、極めつけは活きたあわびをそのまますりおろし、長芋のとろろとあわせてごはんにかける「秀飯(しゅうはん)」など、その旨さを知るにはぜひ食べていただきたい逸品。
毎日北海道からあわびを空輸しているため、予約をどうぞお忘れなく。夏の今この時しか味わえない柔肌あわび、ぜひご堪能あれ。

⬛ あわびの源太

住所/東京都中央区銀座6-7-18 デイム銀座B1
営業時間/17:00~23:00
定休日/日曜休(土曜・祝日は前日までの予約のみ営業)
予約・問い合わせ/☎03-3569-2277

● あわびのフルコース、懐石コース1万2000円~

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ホヤ嫌いと言うなかれ。海の逸品揃いの名店へ。

【焼貝あこや】(東京・恵比寿)

選り抜きの貝尽くしを味わえる

お次はこちら、ホヤの話題です。え、ホヤってなに? というあなたのために、クローズアップしてみましょうか。
はい、こちらがホヤ。凸凹している形状から海のパイナップルと言われることもある真ボヤですが、これはちょっと豚足っぽくも見えますね。
アワビからの流れでしたが、ホヤは貝類ではありません。そして魚でもありません。脊索動物の特徴である内柱やエラをはじめ、心臓、生殖器官、神経節、消化器官などをもつというから、意外にも動物に近い生き物なんだそう。このあたり、夏休みの自由研究っぽいネタですね。

さてこのホヤ、個性的な香りと味から「苦手」という方、もしくは見た目から「食べたくない」という方続出のクセモノでもあります。でもこの「焼貝あこや」でのカラスホヤを食べたら、間違いなくあなたのホヤ観はガラリと変わることでしょう。
カラスホヤは真ボヤに比べると少々こぶり。カラスという名のとおり、外側は真っ黒ですが、中を開けますと、ホヤらしく鮮やかなオレンジ色の肉をのぞかせます。
ホヤの刺身950円。
ホヤの刺身950円。
そして嫌がられることの多い匂いをクンクン……してみれば、アレ? ほのかに磯の香りがするだけでほぼ無臭です。そう、新鮮なホヤには匂いがないんですね。
そしてひと切れ口に放り込んでみるってぇと(なぜ江戸弁)、来た! 三陸の荒波が口中でざばんと砕けました。ホヤってこんなに美味しかったの!? 当方、幼いころに東北で暮らしていた経験もあり、ホヤリテラシーもそこそこ高かったはず。なのに、まだまだ知らないホヤの新しい扉を開けてしまいました。こわいよ、ホヤ。私をどこへ連れていくのか。

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直径30センチの巨大岩ガキ登場!

さてさて、「焼貝あこや」ですから、いま旬の貝のお話もいたしましょう。この岩ガキ、冒頭で述べましたように現在産卵期前でぷくぷくに太り、自分史上最高にクリーミーな肉質を誇っています。
ご存知のようにカキにもさまざまな品種があり、そのどれもが大きければ美味しいというわけではありません。でも、岩ガキだけは別。プルン、ドゥルッという食感はまさに海のミルクプリン。磯の旨みを存分に蓄えた肉を味わえるのは夏ならではの醍醐味です。
岩カキ1p1400円。奥の特大岩カキは3000円~
岩カキ1p1400円。奥の特大岩カキは3000円~

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貝専門店の本領を発揮!

ところで「焼貝あこや」は高円寺の名店「焼貝あぶさん」を起点に、鶯谷「焼貝うぐいす」など展開する、いわば貝の専門店集団。名物は旬の貝の刺身3種を盛り合わせる「活貝3品」と、焼いた貝を盛り合わせる「焼貝3品」ですから、まずはこちらをオーダーしましょう。
この日のお刺身3品は愛知県産の平貝、岩手県産の石垣貝(トリ貝に似ている)、赤貝の3種。2400円
この日のお刺身3品は愛知県産の平貝、岩手県産の石垣貝(トリ貝に似ている)、赤貝の3種。2400円
やはり夏に旬を迎えるサザエ、大あさり、ホッキ貝の焼貝3種盛り。2400円
やはり夏に旬を迎えるサザエ、大あさり、ホッキ貝の焼貝3種盛り。2400円
ほかにも貝のなめろうや貝の出汁で炊いた土鍋ごはんなど、貝好きにはたまらないメニューの数々。そもそもアミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれている貝類は肝機能を修復する作用があり、疲労を改善させてくれる効果があるのだそう。貧血予防に欠かせないビタミンB12や鉄分も含まれているから、夏のお疲れ・倦怠にこそ貝が欠かせないのです。今夜も貝、1本行っとく?
貝にはやはり日本酒がよくあう。店主が全国をまわって探したラインナップが魅力的。
貝にはやはり日本酒がよくあう。店主が全国をまわって探したラインナップが魅力的。

⬛ 焼貝あこや

住所/東京都渋谷区恵比寿南1-4-4
営業時間/18:00~24:00(L.O,23:00)
定休日/不定休
予約・お問い合わせ/03-6451-2467

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