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2017.12.01

「こんなのはじめて♡」卓上が舞台の美食イリュージョン

煙モクモク、雷ビリビリ、おまけに化石発掘まで……!? 「こんなのはじめて♡」がとまらない、美味しくて摩訶不思議なフレンチガストロノミーレストランをご紹介。

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文/中島由貴 写真/河合 綾

エランヴィタール
クリスマスに年末年始、少し先のヴァレンタインデーまで——。デートのピークシーズンの幕開けです! 花やジュエリーも贈ればベターですが、まずはふたりでごはん。でも、単なるディナーでは芸がない。というワケで、相手の心にしっかりと愛の爪痕を刻むためには、おいしい食事以上の“サプライズ”を用意しなくてはなりません。

なんだか大変そう…(汗)と思ったアナタ。ご心配には及びません。意中のコに、「行きたいお店があるんだ。付き合ってくれない?」の定例文を伝えるだけで結構です。これからご紹介するトコロは、女性なら100%喜んでくれるお店なので自信を持ってお誘いください。ただ、あくまで“いつも通り”を装うのが肝ですよ。

仏×映像の分子ガストロノミーレストラン「elan vital 」

首都高と山手線がクロスする代々木の一角にある「elan vital(エラン ヴィタール)」。ガラス張りにもかかわらす、壁で隠されて中が一切見えないようになっているので、ここなんだろう? と誰しも思うはず。意を決して扉を開けると、ほの暗さを通り越して、くっ、くらい!
なぜならこちらは、プロジェクションマッピングと分子料理を組み合わせた体験型のレストランなんです。オーナーシェフは、和食でも修業経験のある深作直歳さん。

「洋食って白いお皿に盛り付けなどで絵を描くイメージ。和食は夏なら青い皿や、冬なら装飾的な皿といって四季によって変える。それはお皿も料理という捉え方です。じゃあ、お皿をもっと拡大解釈して、映像があってもいいんじゃないかなって思いついたんです。抑えた照明もお店をもっと楽しんでいただくための演出のひとつ」

そんな暗いお店に、ここに着くまで何も知らない彼女が、いわば目隠し状態で入ってくるワケですから、不安も期待値も最高潮のはずです。先ほどのありふれた誘い文句が効果的なのはこのため。彼女を優しく席までエスコートしたら、なにやらチクタクと時計の音が聞こえてきましたよ? 一体何が始まるの!?と、店全体がワクワク感に包まれて……

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暗闇の中、どんな料理が…

さあ…光と音、料理のショータイムが始まります!

目の前のテーブルには、時計が出現! その針が指すのが12時と7時。

「ウチは昼は12時、夜は7時の2部制です。それぞれの開演の時間を指しては時間が進んでは戻る。コース名のテーマが“想像と進化”なんで、いろいろな意味でバックトゥーザ・フューチャーみたいな映像が面白いかなと思って。今は、寒くなってきたので、コースを始めるまでにお出汁をこの映像と合わせて出しています。」
8~9皿からなるコースの内容は定期的に変わるそう。さっそくメニューを見てみると、“気象”“生態”“経済”“海洋”“地質”“考古”……と飲食店にはやや不似合いな文字が。

「今は、“学”というテーマです。“〜学”というように、メニューのひとつひとつが学問に通じるように考えました」

ぜ〜んぶのお料理をお見せしたいところですが、ネタバレになってしまうといけませんので厳選してご紹介してまいります。ちなみにこの日のコース一品目は“気象”。風の気流をイメージしたという映像が流れ始めると、何やら煙が充満した球体ガラスの器が運ばれてきました。そこに、テープルにあったフラスコを傾けると、それまでおとなしくしていた中の煙がモクモクと登っていくではありませんか!? 

「気象なので雲のイメージ。フラスコには空気より重いガスが入っているので、軽い煙は上に行くという仕掛けです。料理に関しては、地球というイメージで作っています。緑は抹茶を使ったパン粉のようなもので、葉っぱが生えている感じに。その下にはワカメやウニなどの海鮮を入れています。要は、横から見ると海底、地上、上空に。お酒はこちらならスパークリングですね」

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お次は江戸時代にタイムスリップ!?

遊び心あふれる最中の中には…

続いてご紹介するのは“経済”。弾むような琴の音色が流れ、目の前の長方形の木箱に江戸の様子が映し出されました。

「想像と進化をテーマにしているので、江戸時代に最中屋さんがあったらこんな感じなのかな?という映像を見ながら、現代版の最中を食べていただくという演出。微妙なこだわりなんですけど、のれんに“えらんゔぃたーる”って入っているんです(笑)」。

細部にまで遊び心がある映像を楽しんだなら、では、いただきます!と思いきや、よく見ると枡と、小さく畳まれた白い紙製の何かが…。

「枡にヒノキの香りがする暖かい蒸留水が入っていて、白い紙は水に含むと膨らむおしぼり。モナカは素手で食べるものなので、手を拭いてヒノキの香りをつけてもらって、自分の手を調理器具のようにその香りを嗅ぎながら食べて欲しいなと」

自分の手がカトラリーになる、というありそうでなかった発想はさすが。では今度こそ失礼して。

パリッパリの最中生地を一口含むと、餡!? いや、しょっぱい? 甘い? 美味しい!!  餡と思った正体はフォアグラ。そこに生クリームやバルサミコ、くるみなどが入っていて、そのバランスは絶妙。幸せなおいしさが口いっぱいに広がり、溶けて行きます。

「こちらはウチのスペシャリテ。和と洋のどちらも経験があるので、洋の食材で和に見せる、っていう演出は自分らしいなと。フォアグラはフランボワーズやバルサミコといった酸味とよく合いますし、酸味がある日本酒とペアリングしておすすめしています」。

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メイン料理も期待を裏切りません

メインには考古学者になれる肉料理を!

最後はこの日のお肉料理“考古”です。鴨肉とのこと。「マニアックな話をしていいです?」との前置き。どうぞどうぞ(笑)。

「鳥って恐竜が進化したって知っています?  だから、鳥と恐竜の足って似ていますよね。一説ですけど、恐竜が生き延びるために鳥に進化したらしいんです。今は、ちょうどジビエの時期なので、鴨です。で、土を模したオリーブなどを刻んだ中に、恐竜の顔をかたどったクリームマスタードがあるので、お客様ご自身で、化石発掘みたいにハケではいてもらいます。お肉にはそのソースと、フランボワーズのソース、そして化石に見立てた岩塩を削っていただいて召し上がっていただきます」

今回は、シェフ自ら特別にデモストレーションしていただきましたが、すべてテーブル下の引き出しに各お料理に必要な道具が入っているので、説明に従いなら食べ進めます。まるで、化学実験のようで楽しい! 
深作直歳さん/「elan vital 」のオーナーシェフ。人を喜ばせたいとの思いから、プロジェクションマッピングの導入を思いついたそう。
一皿の料理が目の前で躍動する芸術的な未体験ディナーに、彼女の心は終始ドキドキしっぱなし。このお店なら「こんなところに連れてきてくれた人、はじめて♡」を必ずやいただけることでしょう。

◆ élan vital (エラン ヴィタール)

住所/東京都渋谷区代々木1-20-4代々木ダイヤビル 1F
営業時間/12:00入店、19:00入店
予約・お問い合わせ/☎︎03-6300-9347
定休日/不定休

● コース(ドリンクペアリング含む)1万6000円(税込)

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