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2017.07.06

『食楽』編集長がすすめる、海辺のおいしい宿

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文/秋山 都 撮影/菅野 祐二

ひところ食通の間で某K丸という民宿が話題になったことがありました。西伊豆の温泉地で女将がたったひとりで切り盛りしている小さな宿ですが、なにしろ料理がおいしく、とくに「伊勢海老のアメリケーヌソース」がすばらしいのだとか。

アメリケーヌといえばエビの殻を煮詰め、濾す、クラシカルなフレンチ。結婚式の披露宴にもしばしば出てくるご馳走が民宿というカジュアルな場所で供される意外性に、都会の食通たちは狂舞し、なかなか取れない予約をとるのにやっきになったものでした。

美味しいものが何より好きという食いしん坊にとっては、海は“泳ぎ”なく、“食べ”にいく場所。距離をものともせずに、わざわざ食べに行く価値のある宿を、食の専門誌である『食楽』編集長の大西健俊さんに教えてもらいました。
「海辺の宿だからと言って必ずおいしい魚が食べられるわけではありません」と大西さん。 地方の漁港にあがった魚も最上質なものは築地へ集まるため、海辺にいるからと言って魚の品質が担保されているとは言えないそう。でも、少なくとも新鮮、ですよね?

「それはもちろん新鮮ですが、魚によっては熟成させたほうが美味くなるものもあり、宿の稼働率によっては新鮮な食材を保証できない宿もあるでしょう(笑)」

な、なるほど。では、海辺でわざわざ食べに行く価値のある宿、教えてください、大西さん。

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伊豆産の干物をたっぷり楽しめる朝メシのうまい宿

◆ つるや吉祥亭

「伊豆産の干物をたっぷり楽しめる朝メシのうまい宿」

「東伊豆・北川温泉の宿。自家源泉かけ流しの湯質もいいのですが、なにより朝食が美味いんです。豪華な夕食の宿はほかにもあるかもしれませんが、朝食が美味しい宿はそれだけで泊まる価値があると思います」。

内容は沼津漁港から取り寄せた地魚の刺身や、桜えびのだし巻き卵、豆アジの素揚げなど、とことん地元の食材にこだわっており、ハイライトは干物のバイキング!
好きなだけ食べられる干物バイキングは伊豆の定番である鯵の開きに加え、イワシの丸干し、鯖の味醂干しなど。干物は10年以上のキャリアを持つベテランによって炭火で焼かれ、皮目はパリリ、肉はふっくらジューシーで旨味が濃いのが特徴です。

「金目鯛や伊勢海老などその時々のアラで出汁をとった味噌汁も最高。ごはんおかわり間違いなしです」

◆ つるや吉祥亭

住所/静岡県賀茂郡東伊豆町北川温泉
予約・お問い合わせ/☎0557-23-1212

●~7月20日まで夕食に伊勢海老と金目鯛が堪能できるグレードアッププラン1泊2食月ひとり11,000円。

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湯野浜を望むオーシャンビュースイート

◆ 亀や

湯野浜を望むオーシャンビュースイート

東京に住んでいると、海といえばつい、千葉や湘南、伊豆など太平洋が浮かんできます。

「日本海も忘れないで。金沢の鮨が有名なことからわかるように、日本海側の食材もすばらしいんですよ」と、大西さん。

日本海サイド代表として挙がったのは「亀や」(山形県鶴岡市)です。
創業200年の歴史をもつ老舗でありながら、館内はごくモダンにリノベーションされており心地よいお宿。その最上階HOURAIは全室オーシャンビューで、目の前に湯野浜が広がります。
「『亀や』さんは以前赤坂でミシュラン星付きの和食店『阿部』を経営しており、食のクオリティでは定評のある宿。『アル・ケッチァーノ』奥田政行シェフや『東京會舘』鈴木直登さん(和食料理長)とコラボレーションするなど、常に意欲的なプランも発信し続けています」(大西さん)
そのコース内容を見ても、庄内から全国に運ばれる岩牡蠣や庄内鯛、平田牧場の三元豚など地元のおいしい食材がズラリ。目の前の湯野浜に沈む夕日(日本海側はこれが魅力!)を眺めながらゆっくりとお楽しみください。

◆ 亀や

住所/山形県鶴岡市湯野浜1-5-50
予約・お問い合わせ/☎0235-75-2301

●最上階HOURAIフロアでの1泊2食付きひとり26,000円~

● 大西 健俊

1977年、神奈川県出身。月刊誌「東京カレンダー」の編集を経て、フリーランスのエディター・ライターに。食・酒・旅をテーマに活動。2017年より「食楽」編集長。年間300軒以上を食べ歩き、国内外の出張も多いため、宿の食事情にもあかるい。

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