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2018.03.23

ビジネスにお洒落は不要!? ってどういうこと?

アメリカ大統領は“ここぞ”の場面で真っ赤なタイを締めて決意を表明する。でも、いまの時代のビジネスシーンにおいて、それは本当に有効な例えなのだろうか? スタイリスト森岡弘さんにお話を伺う。

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写真/蜂谷哲実(hachiya studio) スタイリング/小野塚雅之 文/竹内虎之介(シティライツ)

現代のビジネスシーンに求められる装いとは何か?

アメリカ大統領は“ここぞ”の場面で真っ赤なタイを締めて決意表明する、という話は、昔からVゾーンによる印象作りを語る際に必ず出てくる象徴的な例。
でも、いまの時代のビジネスシーンにおいて、それは本当に有効な例えなのだろうか?
もっと現代的な、もっといまのビジネスに寄り添った着こなしの方程式があるんじゃないか?
そんな素朴な疑問からスタートした本企画。
──だったらあの人に訊いてみよう、ということで、スタイリスト、ファッションディレクターとして活躍する傍、ビジネスエグゼクティブや政治家の日々のスタイリングアドバイスをも行う森岡弘さんにお話を伺うことに。
話を聞いて浮き彫りになったのはやはり、単純な方程式では解ききれない現代のビジネススタイルの繊細さでした。
copyright : Evan El-Amin / Shutterstock.com

大切なのはコーディネイトよりも佇まい

「いわゆるパワータイに象徴されるVゾーンの方程式が、ストンと腑に落ちる時代でなくなっていることは確かですが、かといってそれに代わるものがあるかというと…難しいですね。つまり、大切なのは全体像であってVゾーンだけで何かを表現できる時代ではないということです」
 
森岡さんいわく、ビジネスマンの仕事への関わり方そのものが昔よりセンシティブになっているいま、より大切なのは一発勝負の印象ではなく、相手とのパートナーシップ。だからこそ、その人全体の様子が重要になってくるというのです。
 
「佇まいがちゃんとしているかどうかが最も大切なこと。そこには服装に対して頑張っている感じとかお洒落な感じはむしろ必要ないと思います。この人はきっとお洒落なんだろうな、と思わせるだけで十分じゃないでしょうか。ことビジネススタイルにおいては、100点のお洒落を知った上であえて80点の格好をする。そのマイナス20点が相手への配慮につながるというのが私の持論です。ファッションに明るすぎる人って、どうしてもアフター5のニオイがしますし、それはあんまり良いことじゃないですからね(笑)」

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タイはキリッと締めたほうが間違いなくちゃんとして見える

タイはキリッと締めたほうが間違いなくちゃんとして見える

では、“ちゃんとした佇まい”とは具体的にはどういうものなのか?
森岡さんは、コーディネイト以外の部分が大切だといいます。
 
「Vゾーンに関していえば、色数が少ないほうがいいというのは前提ですが、それよりもタイがしっかり締められていることのほうがが重要です。タイはキリッと締めたほうが間違いなくちゃんとして見えます。シャツのボタンを一番上まで留め、タイは緩く結ぶのではなく、しっかりと締めて三角形のノットを作る。ノットの横も見せたくありませんから、シャツの襟型は100度前後のセミワイドスプレットがいいでしょう。これだけで印象は変わるはずです」
 
さらに、いまの時代、お洒落な男よりもスタイルをもった男が素敵に見える、とも。

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人間関係のなかで服装の使い分けができる人が格好いい

人間関係のなかで服装の使い分けができる人が格好いい

「まず、みんなに格好いいと思われようとしないこと。服のことをわかっている人にだけ、いいなと思ってもらえる格好が正解だと思います。例えば、いつもネイビーのスーツに白いシャツを着てネイビーのタイを締めているけど、よく見ると、昨日はシルクのネイビータイだったのに今日はウールのネイビータイだとか、スーツも昨日のものと今日のものとではちょっと光沢感が違うよね、とか。そういうのって気づかない人から見ると“いつも一緒”となりますが、わかっている人には“相当やるな”と映るもの。そんな一見普通だけれど安定したスタイルをもった男が、いま素敵に見えるんじゃないでしょうか」
 
いつもネイビースーツにネイビータイだけど、その素材感がちょっとずつ違う。それってかなりの服装巧者。まんまいただきます!
ただし森岡さんは、色自体を否定しているわけではありません。それをTPOによって使い分けるのではなく、スタイル作りのひとつにすればいいといいます。
 
スーツ12万9000円/ヴァルディターロ(シップス 銀座店)、左●シャツ2万9000円/バルバ(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター)、タイ1万5700円/ステファノ ビジ(シップス 銀座店)、中●シャツ1万9000円/バーニーズ ニューヨーク(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター)、ニットタイ1万3000円/フィオリオ(ザ ソブリンハウス)右●シャツ1万6000円/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)、タイ9000円/フェアファクス(フェアファクスコレクティブ)
「何よりも大切なのは相手との人間関係。ですので、パートナーシップが築けるまではVゾーンをネイビーと白だけに抑えるとか、そういう配慮が大切だと思います。逆にパートナーシップを築けている人と会う日やデスクワークだけの日には色を使う。そうした服装の使い分けができる人が、いまは格好いいんじゃないでしょうか。もちろん色を使うといってもあくまで仕事の場ですから、原色ではなくちょっとくすんだ色がいいでしょう。繰り返しになりますが、ビジネスシーンで大切なのはお洒落に見えることではなく、仕事ができるように見えることですから」

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良い佇まいはモチベーションアップにもつながる

良い佇まいはモチベーションアップにもつながる

コーディネイトよりも佇まい。そんな森岡さんのビジネススタイルに対する考え方は、着る人の姿勢や素材選びにも及びます。
 
「スーツ姿の格好よさにとって姿勢はとても大切です。日本人はポケットに手を入れる人がやたらと多いのですが、ポケットに手を入れると前屈みになるから格好悪い。タイがキリッと結べているかかどうかと同じですね。また、海外ではポジションが上がると服を着替えるんですが、やっぱり佇まいが変わります。同じネイビースーツでも生地や仕立てが違えば見た目も変わる。そして、その佇まいの変化は、着ている人本人の自信やモチベーションにもつながります。スーツスタイルはあからさまにその人自身が出る装い。だからこそ、そういう気持ちの変化も大事なことだと思います」
 
まさに“たかがスーツ、されどスーツ”。ビジネススタイルは制約のある装いだからこそ奥が深い。皆さん職場で「お洒落ですね〜」なんていわれてませんか?
それ、きっと危険信号ですよ。

● 森岡 弘 / ファッションディレクター&スタイリスト

早稲田大学卒業。株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社し、男性ファッション誌「メンズクラブ」編集部にてファッションエディターとして従事。株式会社婦人画報社を退社後、クリエイティブオフィス『株式会社グローブ』を設立。
現在ではファッションを中心に活動の幅を広げ、俳優、芸能人、ダンサー、ミュージシャン、スポーツ選手、アーティスト、政治家、企業家のスタイリング。イベントのコスチューム、企業のユニフォームデザイン。アパレルブランドやライフスタイルブランドのコンサルディング、及び広告ビジュアルやカタログ制作のファッションディレクション、スタイリングを手がける。2010年より読売新聞(朝刊)にて「装・男の基本」を連載中。
「男のお洒落の方程式」「男の休日 着こなしの方程式」「デキる男のお洒落の極意」「男のファッション練習帖」(講談社刊)「新スーツの鉄則」(NHK出版)など著書多数。

■ お問い合わせ

ザ ソブリンハウス 03-6212-2150
シップス 銀座店 03-3564-5547
バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター 0120-137-007
フェアファクスコレクティブ 03-3497-1281
ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 03-5772-5501

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