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2017.10.04

ぼくたちがこのブランドに憧れる理由—夢と歴史が詰まったポルシェ博物館を訪問

ドイツのポルシェ本社のとなりにあるポルシェ・ミュージアム。美しい館内に内容の濃い展示は見応え十分。ポルシェ好き、クルマ好きはぜひ旅の途中に立ち寄るべし。

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文/小川フミオ

希少な80台が一堂に揃った夢のミュージアム

ドイツの自動車メーカーは自社のヘリティッジを大事にする。そのいい証拠が古いクルマの保存だ。ポルシェも例外ではない。
 
2008年にシュトゥットガルト空港から電車で20分ほどの場所にりっぱなミュージアムを新設し、一般に開放している。
ミュージアム入り口の奥には古いポルシェを直している工場が見えるようになっている
博物館といってもお勉強っぽくはない。憧れのポルシェが美しい姿で並んでいるのは、マニアでなくても口中によだれが……。もちろんクルマ好きが小躍りしたくなるようなレーシングモデルなど展示にぬかりはないかんじだ。
 
展示車両は約80台。創業者のドクター・フェルディナント・ポルシェの生涯の活動をみると、1948年にスタートさせたポルシェ社と、それ以前とにおおきく分けてもいいかもしれない。
911カレラRS 3.0(74年)は当時のカテゴリーにあったグループ4向けに330馬力の3リッターエンジンと空力ボディを持って開発されたモデル
「356、550、911、917といったポルシェを象徴する有名な車両に加えて、フェルディナンド・ポルシェ博士の驚異的な技術的偉業を示す20世紀初期の展示品も」とミュージアムじしんが説明を行っている。
 
スポーツカーには3ケタの数字(それもたいがい9で始まるもの)をつけるのがポルシェの伝統。といってもそれだけみていては「?」の女の子でも、実車をみれば“ああ、これ!”と納得するのでは。
904カレラGTS(64年)はレースのために開発されたモデルでレース場でもいい成績を残すいっぽう65年のモンテカルロラリーでは総合2位に入賞
このミュージアムの見どころは、なにはともあれ、ポルシェの歴史が俯瞰できることだろう。オーストリアで家族経営のメーカーとしてスタートしたあと、さまざまなレースモデルの成功によって世界的な存在へと成長したポルシェ。
 
その過程を、過去のプロダクトから順を追ってみるのはおそらく誰にとっても興味ぶかいことのはず。そんなこと、このミュージアムだからこそ出来るのだ。
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クールなクルマのユーモラスな一面と出会える場所

個人的には60年代から70年代にかけてのレーシングポルシェが興味ぶかかった。当時ルマン24時間レースをはじめ、かずかずのレースでフェラーリと競り合っての活躍ぶりは自動車史に残るものだ。
ピッグと愛称がつけられたユーモラスなカラリングの917/20は71年のルマンに出走した
なかでも71年のルマン24時間レースに出走した917/20。ずんぐりしたスタイルから「雌豚ベルタ」とポルシェ・ワークスチームのエンジニアたちから呼ばれていたモデルだ。
 
このあだ名のとおり、このときのルマンでポルシェは豚色に車体を塗装。さらに肉の部位名まで書き込んだ。
幅の広い車体に4.9リッターエンジンを搭載したピッグのリアビュー
ぼくはこのユーモアが大好きなのだけれど、そのときスポンサーだったイタリアのリキュール会社マルティニは“醜い”と、車体にスポンサー名を入れるのを禁じたエピソードがある。
 
じっさいは高性能のマシンで、このルマンでは3位まで上がったもののブレーキトラブルでリタイヤ。なんにでもシャレがなくっちゃね、ということで、ぼくはこのマシンに愛着をもってきた。その実車が飾られていてうれしかった。
シュトゥットガルト空港から近いポルシェプラッツ駅からの眺め
ちかくのシュトゥットガルトにはメルセデス・ベンツのミュージアムがある。250キロほど離れたミュンヘンまで足を延ばすとBMW、そしてミュンヘン近郊のジンデルフィンゲンにはアウディのミュージアムがある。
■ポルシェミュージアム
http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/porschemuseum/
●小川フミオ
 
ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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