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2017.04.28

ランボルギーニが考えるスーパーカー進化論

2017年3月7日(火)〜3月19日(日)まで第87回「ジュネーヴ・モーターショー」がパルエキスポ・コンベンション・センターにて開催された。サロン・アンテルナショナル・ド・ロト(Salon International de l'Auto)、通称「ジュネーヴ・モーターショー」とは、スイス・ジュネーヴで毎年春に開催される大規模な国際自動車見本市(モーターショー)で、世界5大モーターショーのひとつだ。クルマの“今”が見える場所から、自動車ジャーナリストの大谷達也氏が最新レポートをお届けする。

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いまや四駆がキホン?そこに込められた美学と哲学

現代のランボルギーニは4WD、つまり4輪駆動がラインナップの基本となっていることをご存じだろうか。名車カウンタック以来、ボンネットとフロントウィンドウが一直線でつながったプロポーションを脈々と受け継いできたランボルギーニだから、いくら4WDといってもオフロードモデルではない。

実は、ランボルギーニにとって久々のオフロードモデルとなる新型車“ウルス”は2018年にリリースと見込まれているけれど、現在発売中のウラカンとアヴェンタドールはどちらもオンロードを走ることが前提のスーパースポーツカー。

そんなモデルに、なぜランボルギーニは4WDシステムを採用しているのか?
ランボルギーニ Huracan Coupé(カラー:ARANCIO BOREALIS)
近年、スーパースポーツカーに搭載されているエンジンの最高出力はおおよそ500psから800psに分布している。

このレベルのパワーになると、たとえ乾いた舗装路でも、ファミリーカーでウェット路面を走っているときと変わらない程度のグリップしか得られないことがある。つまり、どんなに高性能なタイヤを履いていても、ありあまるパワーのせいでタイヤが空転してしまうのだ。

最新のスーパースポーツカーであれば、そんなときはトラクションコントロールやスタビリティコントロールが介入してクルマが不安定な状態になるのを防止してくれるけれど、そういった電子デバイスがしてくれるのはクルマの安定を取り戻すことであって、決してクルマの基本性能を高めてくれるわけではない。

その点、強大なエンジンパワーを4本のタイヤで路面に伝える4WDであれば、そもそも1本のタイヤが受け持つ負担が少ないうえに、たとえ1本が滑り始めても残り3本で路面にパワーを伝えるため、電子デバイスに頼らなくても姿勢を乱しにくいというメリットがある。
ランボルギーニ Aventador Coupé(カラー:ARANCIO ARGOS)
こうした4WDの特徴を、スポーツドライビングの喜びを追求するために活用しているのがランボルギーニのユニークな点。

4WDのありあまるグリップ性能を「限界領域におけるドライバビリティの改善」に振り分けることで、プロのレーシングドライバーのような超絶テクニックを持っていなくてもスーパースポーツカーをドリフトさせたり、クルマのギリギリの性能を引き出すスポーツドライビングが堪能できるように工夫されているのだ。

フツーのドライバーも楽しめる極上のスーパースポーツ

そんなランボルギーニが今年のジュネーブショーで発表した最新モデルがウラカン・ペルフォルマンテ。これはV10 5.2ℓエンジンの最高出力をスタンダードの610psから640psまで引き上げるとともに、カーボン素材を活用した“フォージドコンポジット”という材料を用いることで40kgの軽量化を達成したモデルで、あのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでは量産車史上最速の6分52秒01をマーク。

スーパースポーツカーの歴史にその名を残しそうな実力の持ち主だ。
ジュネーヴ・モーターショーの展示。左からAventdor S、Huracán Performante、Huracán RWD Spyder
ただし、そんなに速いモデルと聞くと「きっと腕利きじゃないと歯が立たないんだろうなあ」と思ってしまうのが人の性。

そこでランボルギーニの技術陣を率いるマウリツィオ・レッジャーニ氏に「一般のドライバーにもドライブできますか?」と訊ねてみたところ、こんな回答が返ってきた。

「他のランボルギーニ同様、その点には十分配慮しました。私も試乗しましたが、ドライバーに深い自信を与えてくれる、とても操りやすいモデルだと思いました」

史上もっとも速いのに、フツーのドライバーにも優しいスーパースポーツカー。それがどんな仕上がりなのか、是非試してみたいものだ。
取材・文/大谷 達也

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