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2019.06.02

元祖かっ飛びワゴン、アウディRS4アバントを乗り倒す!

ポルシェが開発に絡んだ、アウディRS2はおそらくスーパーワゴンの始祖だろう。その正統なる子孫がRS4アバントだ。その最新型に乗った!

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取材・文/小川フミオ

羊の皮を被ったオオカミの最新型

趣味のクルマとして買っても、家族には機能的なファミリーカーだと言い張れそうな、スポーツワゴンがアウディRS4アバントだ。A4アバントのボディをベースしながら各所をフルチューンし、450馬力のV6エンジンを搭載した驚愕のモデルである。

とにかく運転が楽しい。すばらしい運動性能にいたく感心する。そんな体験を提供してくれるアウディの渾身の1台である。アウディは、標準モデルに加えて、大きなエンジンとスポーティな足回りなどを特徴としたSモデルと、モータースポーツ部門が参画して作りあげたRSモデルをラインナップに持つ。

RS4アバントで感心するのは、A4アバントに準じる快適な乗り心地を犠牲にせず、いっぽうで静止から時速100キロまでを4.1秒で加速する運動性能を実現させていることである。

そもそもA4(昔の呼び名は「80」)系のアバント(ステーションワゴン)モデルをベースにしながらRSの名を冠したスポーツモデルをアウディが出したのは、1994年のRS2にさかのぼる。ポルシェが開発に関与しており、ブレーキやホイールなどはポルシェのモデルと共用していた。
331kWの最高出力を持つ2893ccV6エンジンにフルタイム4WDシステムの組み合わせ
RS2は、最高出力が315馬力におよぶスーパーワゴンのはしりである。見た目は、知らないひとにはたんなる実用車なのに、性能はポルシェ911なみ。洒落者が選ぶクルマとして最高だと思ったものだ。

2018年秋に日本に導入された最新の「RS4アバント」も、基本的なコンセプトは、初期から変わっていない。性能はロケットのように上がっているが、そのぶん操縦安定性のマージンは高くなり、サーキットを含めて、多くのひとが運転を楽しめる仕上がりである。

全長4780ミリ、全幅1865ミリ、全高1435ミリの車体は日本の市街地で使うのに最適ともいえるサイズだ。搭載されているのは、2893ccのV型6気筒エンジン。こっちはフツウじゃない。

331kW(450ps)の最高出力と、600Nmの大トルクを発生する。これに8段ティプトロニック(トルクコンバーターを使った通常のオートマチック)変速機が組み合わされる。日本の高速より速度無制限のアウトバーンで味わいたいユニットだ。
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標準モデルから20ミリ落とされた車高と張り出した前後フェンダーがすごみをきかせる
アウディドライブセレクトと名づけられたドライブモードセレクターで走りの味がだいぶ変えられる。アウディではそもそも、コンフォートとダイナミック(スポーツモード)の差がかなり大きい(それだけ性能のポテンシャルがあるということだろう)が、RS4がコンフォートからダイナミックへと変わったときは驚くばかりだ。

使用するエンジン回転域があがり、アクセルペダルへの反応がばかっ速くなる。ステアリングホイールの応答性が向上するとともに、(ダンピングコントロール装着車では)車体はロールの度合いが抑えられ、通常の道ではとてもではないが、フルに味わうことが出来ない領域に突入してしまう。

このクルマを存分に楽しむならマニュアルシフトをするといい。ステアリングホイール背後に設けられたパドルを操作し、ギアを固定しながらアクセルペダルを踏み込むのだ。エンジンはいっきにレッドゾーン近くまで回る。加速感は一級のスポーツカーなみだ。
パーフォレーテッドレザー巻のD字型ステアリングホイールなどスポーティな演出がRSの特徴だ
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デイリーな実用性はそのままに、速い!

RS4アバントのV6は、その下に位置するS4アバントのV6とは別ものだ。おおざっぱにくくってしまえば、どちらも3リッターとなるが、RS4アバントのほうがよりショートストローク化していて、最高出力も最大トルクも発生回転域は上だ。つまり回しての楽しさを追求しているエンジンともいえるだろう。

窓の外の景色が後方へすっとんで消えていくような猛烈な加速のときは、同時に、弾けるような排気音が室内に響く。ドライビングポジションは(ステーションワゴンなので)スポーツカーより高めで、しかもアップライトだ。その違和感もべつの側面からみると、鬼のように速いステーションワゴンに乗っているという、他では味わいにくい喜びととらえることだって可能だ。

ステアリングホイールのフィールは、ハイパースポーツカーのような微細な感覚は殺してあるようだ。中立ふきんでの反応はけっして悪くないが、ミリ単位の操舵にあわせて車体が動くという感覚はない。おそらくこのほうが安全性が高いからという判断ではないだろうか。

といいつつ、オートというモードがRS4アバントでも”いい仕事”をしている。足まわりの設定やアクセルペダルへの反応速度やシフトスケジュールやステアリングホイールのアシスト量をバランスさせる”かげん”が絶妙なのだ。
8段オートマチックの操作性のよいシフトレバー
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エクステリアはさきから述べているように、知らないひとにはフツウのステーションワゴンに見えるかもしれない(止まっているかぎりはだけれど)。ただすこし注意深く観察すると、深くて大型のエアダム、張り出したブリスター型フェンダー、そこに収まった20インチ径の超扁平タイヤ、そして迫力あるテールカッター、と多くの特徴が目につく。

室内はクオリティ感がばつぐんに高い。孔あきパーフォレーテッドレザーで全周巻かれたD字型のステアリングホイールに、複雑なパターンを持つレザーで覆われたスポーツシートは専用装備だ。ホールド性はばつぐんで、サーキットで乗れればさぞかし楽しいだろうと想像をたくましくしてしまう。
ナルドグレーというボディ色はイメージカラー
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RS4は2つの液晶スクリーンをダッシュボードに並べたMMIタッチレスポンスは世代的に装備できず、代わりに物理的なコントローラーがダッシュボードに並ぶが、表面の手触りも操作感もよく考えられていて、気持よい。適度なアナログ感が個人的には嫌いではない。

331kWのパワーを誇るアウディRS4アバントの価格は1336万円だ。ライバルを探すと、メルセデスAMGに、350kWを発生する4リッターV8のC63ステーションワゴン(1260万円)や、同じ排気量のエンジンで375kWのC63Sステーションワゴン(1426万円)がある。切れ味するどいRS4アバントの存在感はここにあってもかすんでいない。

● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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