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2019.02.24

【雪上試乗】新型ジープ ラングラーで大暴れ! 雪道での実力を検証する

これぞオトコのクルマと呼びたくなるジープラングラー。変わらぬデザインはタフな機能美の権化ともいえる。その新型を雪上走行で試した。その走行性能はどうだったのか? ジャーナリスト小川フミオがリポートする。

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取材・文/小川フミオ 写真=望月浩彦/FCAジャパン

もし、自分が本当に好きなクルマを選べたら……。これはクルマ好き男の見果てぬ夢だ。同乗者を喜ばせるため、快適性だ安全性だブランド性だ、あるいは経済性だと、いろいろ目配りをしてしまう私たち男。

クルマ選びからバリアをとっぱらって、乗ってみたいクルマを自由に選べたら、上位にくるのは米国のジープかもしれない。なにしろ、外付けフェンダー、とりはずし可能のドア、手袋をしたまま使えるスイッチ類など、機能主義的デザインはハート直撃型である。ワイルドさも。

FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)傘下のジープブランドだけに、フィアット車とのパーツ共用などで、昨今は都会派ともいえるSUVのラインナップが充実している。レネゲードをはじめ、コンパス、チェロキー、それにグランドチェロキーが快適性重視のモデルだ。

いっぽうで、1941年に誕生した究極のオフロード車ともいえるジープの流れを汲むのがラングラー・シリーズだ。これが先に触れたファンクショナリズムの権化ともいえるジープである。日本では、ショートホイールベースの2ドアと、ロングホイールベースの4ドアという2つのボディで展開されている。
ラングラー・スポーツ(459万円)は日本で買える唯一の2ドアモデル
エンジンは2種類だ。2リッター4気筒ターボは4870ミリの全長と3010ミリのホイールベースの「アンリミテッド・スポーツ」に搭載される。3.6リッターV型6気筒は同じ車体の「アンリミテッド・サハラ」と、4320ミリと2460ミリとやや小ぶりな2ドア「スポーツ」に搭載される。

市街地でも見かけることがあるラングラーは、かなり目立つ。メルセデス・ベンツGクラスより張り出しのデカいフェンダーと、存在感のあるタイヤのせいだろう。いい意味での違和感があるのだ。個性と呼んだほうがいいかもしれないけれど。

レンジローバーや、BMWやヤマハのオフロードバイクを街中で乗るとスタイリッシュだというトレンドを作ったのは、1970年代のパリっ子ともいわれている。この価値観はいまでも古びていないように思える。

いっぽう米国では本当に使い倒しているかんじだ。泥まみれだったり、ボコボコになった車体のラングラーをいたるところで見かける。あるいはルーフを外して(昨今のモデルは「フリーダムトップ」という合成樹脂製の格納式ルーフ装着)ドアも外して、骨組みだけのようにして乗っているのも楽しそうだ。

ジープはホームページでは砂漠とか岩山を走行するイメージが強調されている感があるが、オフロード的な環境といえば雪道もある(雪国のひとは日常ですが)。今回は2019年冬の北海道でほぼすべてのラインナップの試乗会が開かれた。私はジープで雪上を走るのは初めてである。
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その気になれば黒い合成樹脂製のトップは外せてオープン感覚が味わえる(この季節は無理)
そもそもラングラーはオールテレインタイヤ(SUVは3シーズンタイヤ)を標準装備していることもあり、東京で乗られているモデルをそのまま雪の北海道に持っていったというかたちだ。

はたして期待どおりによく走った。ラングラー系には「セレクトラックフルタイム4×4システム」が搭載され、2WD、4WD、それにオンデマンド型4WD(路面状況に応じて2WDと4WDを切り替えるシステム)をレバーで選択できる。北海道ではオンデマンド型の「4WD AUTO」に入れっぱなしでノープロブレムである。

SUV系のチェロキーやコンパスには、通常2WD走行で、スリップなどで駆動力が失われたことを感知すると後輪へもトルクが配分される、オンデマンド型4WDシステムが搭載される。ちなみにグランドチェロキーはフルタイム4WDだ。

ラングラーのいい点は、車体のゴツいかんじもあって、高い信頼感を感じさせるところにある。運転性も大きな要素だ。積雪路でもダイレクトな感覚を持ちつつ、神経質でない絶妙な設定のステアリングは操作性のよさにひと役買っている。
アンリミテッド・サハラは機能主義的デザインなのだが、同時にカメラのモニターなど便利な装備もそなわる
私が乗ったのは2ドアのラングラー・スポーツと、4ドアのラングラー・アンリミテッド・サハラだ。ホイールベースが550ミリも異なる。前者は2プラス2といったほうがいいコンパクトなパッケージングである。

共通するのは、3604ccV型6気筒エンジンだ。最大トルクが347Nmもある(最高出力は209kW/289ps)。そのトルクがマックスに達するのは4100rpmと高回転型だ。アクセルペダルへの反応は過敏でなく、徐々に力を出していく。

前後ともコイルを使ったリジッドタイプのサスペンションとともに、ステアリングシステムは、クイックな操舵感覚をセリングポイントとしていない。むしろすべてがゆっくりと立ち上がる。これは悪路でのコントロール性のよさにつながっているのだ。
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雪まみれになってもリアのコンビネーションランプは覆われていない
北海道で走ったのは、特設の試乗コースと、それに一般道。一般道は、新千歳空港そばから支笏湖ちかくを通り、山ごえをして、新湯沢という温泉郷へのルートだ。空港そばは積雪が少なかったが、湖ちかくでは雪が降っていた。

雪はボディに積もっても、視界に影響するのはリアウィンドウのみだ。ワイパーを使えばクリアできる。サイドウィンドウはみごとに汚れない。しかもリアのブレーキ灯やウィンカーも雪で覆われることがないのだ。機能主義デザインはちゃんと機能しているとわかった。

インテリアも機能主義でデザインされている。先述のフリーダムトップをとればフルオープンに近くなるぶん、雨が降ったり、雪がかかったりすることは避けられない(クローズドにするには停車しなくてはならない)。そこで主要スイッチは防水性が高めてある。
ラングラーのテールゲートは2ウェイで開くので積雪時なども使いやすい(橫開きのゲートのヒンジが右なのも日本で使いやすい)
USBソケットもあるがフタがついているし、オーディオスピーカーも防水加工だ。サイドウィンドウの開閉スイッチは(防寒用の)手袋をしていても操作できるデザインである。これらも男心をくすぐるディテールといえる。

ジープに乗っていると、ついウンチクをかたむけたくなっても不思議でない。そこが男にアピールするのかもしれない。でも……じつは市街地では、ラングラーに乗る女性たちもけっこう見かける。いいものはジェンダーフリーということだろう。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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